- モダニズム町家~天使突抜の家~Vol.2を掲載いたします。
- 2022.06.24再生までのエピソード
この物件はこうして誕生しました!
■再生までのエピソード
~モダニズム町家_天使突抜の家~
②基礎工事
構造設計と地盤調査により、基礎の改修方法が決定し、実際に工事を行っていきます。
既存の軸組(梁・柱・土台)の下に新しい基礎を施工するためには、建物を浮かす必要があり、この工程を「揚げ前(ジャッキアップ)」すると言います。
一度に建物全体を揚げ前すると構造材が傷んでしまう可能性があるため建物の半分ずつ二回に分けてジャッキアップ+基礎施工を行っていきます。
この作業からみても、町家の構造改修は慎重かつ丁寧な工事が必要だとわかって頂けると思います。
建物の外周部や主要な間仕切壁の下には、湿気による土台の腐朽やゲリラ豪雨による床下の雨水の侵入を回避するために、高めの基礎を施工しています。
もちろん平場のスラブ部分に関しても湿気により土台が腐朽しないように防湿シート+土間コンクリートを施工しています。
町家の基礎改修には様々な施工方法があります。
「一つ石の上に柱を立てる改修方法」「御影石を長手方向に敷き詰めて土台を入れる改修方法」そして、今回のケースのように主要な壁の下にコンクリート布基礎を施工する改修方法です。
こういった改修方法は、その建物が建っている地盤の状態により変わってきます。リノベーション町家の醍醐味である【わびさび】【芸術性】【レトロ感】の裏には、表に出てこない非常に手間のかかる構造改修がなされているのです。その構造改修があって初めて、安心して快適に【わびさび】【芸術性】【レトロ感】を楽しむことができるのです。
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